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創刊にあたって  柔道部を語る

 

甲南大学柔道部 顧問  辻 治雄

例年通りに阪急堤の桜花が無残に散ってしまう頃、大学では入学式、ガイダンス、新入部員勧誘などの行事がやはり例年通りに進行し、開講となります。

先輩諸氏には、御無事で毎日お励みの事と存じます。平素の部員への御指導と御後援を心から御礼申し上げます。この度、学生が中心となり、前年度戦繍と今年度の試合および練習合宿の年次予定を含めた部報を継統的に発行することになりました。これは本人自身が現役選手である山崎先生の着任以来、部員等が先生の厳しさと綿密な計画そして人間的な心配りを加えた指導の下に一体となって練習に励んだ成果が、練習毎、試合毎に現れる楽しさと今後の試合での必勝の心構えが自信となった結果、これらを先輩方にお見せすべく計画されたものと考えられます。

現在、大学柔道部は、前記した通りの山崎先生の適切な御指導により、大変強力になり全日本大会にも連続出場しています。私自身、先輩としてこのような柔道部に係わっている箏は大きな楽しみです。ただ残念な事は、自分自身がやっている部活動に感激し、悩み、笑い、そして涙する素晴しい若者等と接触して頂ける先輩がほんの一部の方々に限られている事です。ぜひ一度練習か試含にお出かけ下さって御覧下さる様お願い致します。

道場は、咋年六甲アイランド南端の甲南大学運動施設内武道館に移転しましたが、付帯設傭を含めて立派な施設です。不便な場所ですがぜひ一度お訪ね下さり、現役との交歓の一時をお過ごし下さる様お願いします。なお、部が強力になればなる程、先輩諸氏の御助力が必要なりますので、この点を合わせて宜しく御願い申し上げる次第です。

 

甲南大学柔道部 監督  山崎俊傭

この三月三十一日から四月四目まで全日本大学柔道連盟主催の春期合同合宿を講道館で約三十大学と共に参加した。この合宿に参加したのは小倉主将以来二度目である。この数年の講道館の変化には驚かされるものがある。まず、柔道設100周年を記念して元の場所に地上七階建の立派な道場が建設されたことである。私の大学時代によく通った厳粛で古めかし<、また重苦し<さえ感じた以前の講道館が大道場等一部は以前の雰囲気を残しているものの、近代化を象徽するような立派な建物に一変した。特に宿舎にいて気付くことは、以前では聞くことのできなかった女性の声である。女子の合宿でもやっているのであろうか、中学生<らいの明るく黄色い声が宿舎のあちこちで聞こえる。以前講道館において女子は隅の方で遠慮しながら練習していたのだが、今では大道場で堂々と男に混じって練習している。日本の女子柔道もいよいよ本格的に定着してきたような感じがする、柔道界を揺るがす混乱も今年で五年目をむかえようとしている。そのためか最近では講道館に練習に来る者がめっきり少なくなり、普段の日は休止状態であると聞かされている。現在文部省が調停案を提出して解決にのりだしているが、両者の対立はなかなかとけそうもな<、まだ解決の明かりは当分見えそうもない状態である。柔道家としてははなはだ恥ずかし<思えるこの混乱を早く解決させ、以前の様な威厳あり活気ある講道館に戻ってほしいものである。今年の卒業式は三月二十五日に例年より早い桜の開花の下で無事行われた。今年は卒業生が例年に比べて多い人数である。まだ彼等が社会に巣立っていったという実感はないが、今年の卒業生を一口でいうと、卒業式の朝にも全員が稽古をしてから式にむかったという現実が彼等の四年間をすべて物語っているように思える。目標にむかって頑張って勝ち得た栄光成績はもちろん彼等自身の財産になるが、柔道を最後まで修業し、いつも謙虚に自分を磨いたということが将来の心の財産になると共に社会に出ても必ず役立つものと確信する。今度はその情熱を社会あるいは会社にむけて頑張ってくれると思います。

数日前、嘉納先生の書物を読んでいると、次の様に説明している箇所がありました。「体を使ってやるのも柔道だが、体を使わない世の白事有物も全て柔道である。世の全ての者は柔道を行わなければならない。すなわち、精力善用、自他共栄の道である。」この永久不変の柔道精神と甲南大学在学中君等がしめしてくれたすばらしい精神力で社会でも活躍し、頑張って頂きたいと思います。

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