ホーム > 海外遠征 > 第3回オーストラリア遠征(1996年)

オーストラリア遠征を終えて

団長 永井郁

柔道を通じて国際交流を深めようと、そして昨年の震災で世界各地から神戸へ励ましをいただいたお礼を兼ねて、二月二六日から三月一〇日まで、神戸市友好都市のブリンスベン市と兵庫県と提携関係の西オーストラリア州都パース市へ遠征に出かけました。お陰様で、道中何の怪我もなく、事故等にも遭わず全日程をこなし、全員がその使命を果たし無事安全に帰国でき嬉しく思います。
 団長を引き受けるに当たり、当時、震災の復興が緒についた時期にあり、多くの団員(学生)や役員も自らが被害に遭い、肉体的にも精神的にも経済的にも大変な状態が続くことを考えると複雑な心境であった。
 震災の大混乱が次第に鎮静化され、見通しがつくようになり、学生達はボランティア活動を続けながら、遠征のために柔道の練習を行う、その真摯な姿に心を打たれた。こんな時にこそ、震災を乗り越えた学生たちが、海外の文化に触れて、人間的に大きく成長して欲しいと思った。
 遠征の諸準備には木村先生、植村、今井両氏のご尽力のお陰と感謝いたします。学生一人ひとりが自分の役割、責任を認識し、実行し、各自が自己管理をしっかりと行う態度と行動は遠征をとおして拝見しました。特に、山崎先生がつね日頃指導されていることを体得理解した四年生の態度と行動は後輩へ立派なお手本として卒業記念を残したと思います。
 笹山一敏神戸市長の親書を携え、団長と共にジム・ソルリィー ブリスベン市長(市長不在のためレス・ブライアン市議会議長へ格調高い荘厳な議事堂で伝達)を表敬訪問して、各自一生懸命に親善大使としてその役目を果たしました。
 雄大な自然、広大な国土と明るい気候の中で育まれたオーストラリアの人々はフレンドリィーで、エネルギッシュで、心温かく私達を迎えてくれました。生活自体は地味な印象を受けましたが、人生をエンジョイするのが上手で、仕事だけの為に生きているのではなく、仕事も生活の一部として考え、職業人と市民のバランスがとれた生活の一端を拝見しました。
 ブリスベン市郊外レッドクリフの合同練習では、練習相手が大人だと思っていたところ、少年少女達で大変面食らいました。学生が片言の英語と身振り手振りを交え、彼らに柔道の指導を始め、次第にうちとけはじめると、熱のこもった雰囲気が醸し出され、学生も少年少女も熱中してなかなか練習を止めず、山崎先生の合図でやっと終えました。
 パース市郊外にある、甲南大学と学術交流校マードック大学を訪問した際、大変暑い中、日本語を学ぶ学生の出迎えを受け、広いキャンパスを日本語で案内いただいた。明るく落ち着いた食堂で歓迎の昼食会を共にして、なごやかな雰囲気のなかで交流が行われた。昼食後、スティブン・シュワルツ学長から「阪神大震災の復興と両校の友好関係の発展を祈念して」植樹の主旨を伺い、記念植樹を行いました。そして学長室で中西典彦甲南大学学長の親書を学長へ伝達をして大学を辞去しました。
 各地で合同練習、親善試合やホームステイを通じて、心と心が通じ合えば、国や言葉、人種、風俗習慣、宗教等の違いがいくらあっても何も心配におよばないこと。相手の立場で物事を考え、それを思いやる気持ちを身につけること、相手を知り自分を見つめることで、見えなかった事柄、今まで気付かなかった自己の発見。そして平素の努力の積み重ねが如何に大切であるか・・・・全員が様々なことを学び体験したと確信します。
 UWA(西オーストラリア大学)での州政府の要人ジャック・ブシュ次官ほか数名と日本領事館古川領事、在パース県文化センター田中所長、柔道関係者及びホストファミリーが参加したお別れパーティーでは、お互いのスピーチを通じて友好親善にふさわしい雰囲気が最高に盛りあがり、クリシュナン先生が提唱されている「柔道 イズ ハーモニィー」が見事に証明されました。
 ロッド・ウエスターベルト先生(県立明石西高等学校外国語指導助手・パース市出身)には様々な場面で、日豪のコミュニケーションの役目を引き受けていただき、大変助かりました。明るくユーモアを交えた通訳は私達の緊張をリラックスさせて呉れました。大変お世話になりありがとうございました。又、エネルギッシュな行動力に鮮烈な刺激を受けました。
そして、平野先生、栗原先生、藤木先生、光本先生、岡田先生、永木先生、朝堀先生、ご苦労様でした。学年度末、入学試験等、公私ともご多忙の時期にもかかわらず、甲南大学柔道部のためにご参加いただき、そして親身あふれるご指導を賜り、お礼の申し上げようがございません。
 甲南大学柔道部OBの槙君、稗方さんの両名は卒業生として模範となる態度で指導をしていただきありがとうございました。
 最後になりましたが、神戸市関係(市長室、国際課、教育委員会、体育協会)ならびに兵庫県関係(知事公室、国際交流課、国際交流センター、教育委員会、在パース兵庫県文化センター)神戸市柔道協会ならびに兵庫県柔道連盟及び神戸日豪協会、企業そして甲南大学の関係各位より数々のご支援ご協力を賜りまして深く感謝いたします。
 この遠征では素晴らしい人々に出会い、そして知り合い、柔道を永く続けて本当に良かったと思いました。 私にとって、このオーストラリア遠征は実に爽やかで素晴らしく、そして充実した一四日間の体験でした。皆様ありがとうございました。

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